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2020/03/30

アーティストへの給付金の案がドイツで出る|日本では反対の声ばかり

新型コロナへの措置で、ドイツでアーティストに給付金を出す案があり、掲示板で話題でした。フランスもドイツも芸術大国で、アート市場の規模も大きく、これは自然な発想なのでしょう。欧州の先進国では芸術が人々の暮らしのアクセント以上に一般化し、庶民の楽しみとして定着しています。

日本のネットでは「必要を全く感じない」「アート自体が不要」の反応ばかりでした。何しろ日本ではアートは専門家が仕切り、庶民には難解で鑑賞は苦痛な行事です。文化の日の美術館巡りは、たまに背伸びしたみたいな。日欧の差は伝統かDNAか、ここの参加者の体験どおりでしょう。

財源はどうするかのいつもの的はずれは、しかしドイツではある話です。というのも、いくらでもお金を発行できるイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、日本など独立国と違い、ドイツは統一通貨ユーロを借りた従属国だからです。

治外法権の欧州中央銀行からの仕送りでお金を増やすから、本来はない財源の概念が本当にあるドイツです。交易を調整できない固定為替相場制の制約も、強いイギリスと弱いイタリアやスペインの明暗を分けました。ドラクマの打ち出の小づちを失ったギリシャショックで発覚した、EU財政問題は続いています。

アーティストに給付金を出すのは、それ以外の職種にも出すからであり、各国首脳は特定の職業人が多数亡くなれば、紛争から戦争に発展した1929年を浮かべているのかも知れません。今と似ている91年前のアメリカ発世界大恐慌は、ナチス台頭と二次大戦まで行きました。不況は人をキレさせますから。

話をアーティストの処遇に戻すと、フランスとドイツは前にも美術家の救済を考えました。美術作品が転売されるたびに配当を作者に渡す案です。若い頃に二束三文で売った絵が後に巨額になっても、作者にはビタ一文入らない問題の緩和でした。こうした芸術家へのリスペクトは、創造国としての威信にみえます。
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2020/03/28

日本国だけが現金支出が大嫌いな理由とは|アーティストが撤退する原因と同じ

アメリカや韓国は、自国通貨ドルやウォンで国民に現金配布を決めました。日本だけが牛肉商品券や旅行クーポンなど屈折が混じり、直接的な円の財政出動を嫌っていることに気づきましたか。その裏にある思想が、プライマリーバランスの黒字化目標です。

日本人が消費税を社会保障や福祉の財源だと勘違いしてきた原因は、各国に通貨発行権があることを知らないせいです。なぜ国会議員たちが国民にそれを教えずに、真っ直ぐ貧困化させたかは、国民が知らないからつけこんだのです。

というのは冗談で、国民が政府に向かって「無駄を削れ」と怒ってきたからです。無駄とは政府の公的資金投入を指し、円の発行で支出されます。円の新発行です。なので国の無駄づかいを増やせば増やすほど、浪費すればするほど国民のサイフはふくらみ裕福になります。当たり前。

無駄を削れば円は発行中止で、国民はどこまでも貧乏に落ちます。あげく早死に。日本のこの状態が、経済用語でデフレスパイラルです。貧乏に落ちたことが理由となって、貧乏に落ちる自動的な循環です。90年代のテレビ討論で耳タコでした。

中国やアメリカの大卒初任給は55万円で、日本との差はサボりではなく、財政出動の金額差です。しかし評論家やカリスマ論客は、貧困化は伝統文化や日本語文化の国際性欠如が原因だと、間違った主張を続けています。本当の原因はプライマリーバランスの黒字化目標です。

ドイツはさすがにインフレ基調でも、2019年のGDP足踏みで減税がささやかれました。日本に次ぐ実物貨幣主義のメルケル首相が、自国通貨でないユーロで財政出動できるかの場面です。イギリスはポンドを捨てずにEUに加盟し、移民で国が壊れて2月に脱出しましたが、コロナウイルスの遮断は間に合わず。
→プライマリーバランスってすごすぎ
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2020/03/27

消費税ゼロパーセントのせめぎ合い|新型コロナの令和恐慌への構え方

新型コロナに対して、世界と日本は立場がまるきり違います。世界はインフレ好況です。そこにコロナ不況という「向かい風」が吹いて、景気がダウンします。ところが日本だけは23年続くデフレ不況だから、コロナ不況はデフレ不況から恐慌へと背中を押す「追い風」なのです。

日本の不利はさらに強烈で、「史上最高の好景気」とあべこべがアナウンスされています。中小企業どころか大企業さえ倒産しているのに、上場企業の株価を根拠に「景気は回復中」と正反対の報道でした。コロナの前にトーンダウンしましたが。

実は株価操作でしたが、真に受け好景気のつもりの国民と、ブラック企業で過労死や自殺に追い込まれる就業者の連帯はなく、対立と分断です。「自己責任」で切る風潮で、日本国民同士のまとまりは史上最も薄れています。

このように国民が団結しにくい空気で、消費税増税で弱り切った体調です。そこに加えて新型コロナが追い打ちをかけ、令和の恐慌は避けがたくなりました。みんな死ぬぞと夏に出回った予言どおり、死者のカウントテンポが速まる段です。

やっと消費税をゼロパーセントにする案が出ました。何と与党から。経済ブログの読者はご存知でしょうが、独立国は自国通貨を無限に発行できます。現代のお金は凹版画かデジタル活字で、好きなだけプリントして増やせます。原理的に貧困化が起きない仕組みに変えてあります。仕組みを知る人にとってですが。

世界各国は貨幣を発行して国を運営します。日本も毎年90兆円の円を新発行しています。その少なすぎる額が直接原因で、日本は23年間デフレ不況で世界記録を更新中です。更新をやめて上向かせる分岐点です。フランスでは23年も待たずにすぐに暴動になったのに、日本は美点の忍耐力が災いした?。
→消費税0パーセント案を説明する
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2020/03/25

ドイツのコロナ対策ガイドライン内容|ベルリンの日本大使館から通達

在ドイツ日本大使館からドイツ在住日本人へと、3月22日に送られた「ドイツ全土での新ガイドライン」がJFB現地リーダーErikaさんから届きました。メルケル首相が発表した内容の和訳であり、更新され厳しくなっています。意訳すると・・・

(1)家族以外の他人との接触は必要最小限に。(2)公共空間で他人との距離を1.5メートル以上、可能なら2メートル以上とる。(3)公共空間への滞在は単身か家族以外1名、または家族同伴に限る。

(4)通勤、託児、介護、買い物、通院、試験や会議、他者の支援、個人スポーツ、屋外で新鮮な空気を吸う運動、その他必要な外出は認められる。(5)グループのパーティーは公共空間と私的空間とも許されない。秩序局または警察が取り締まり、違反には罰則がある。

(6)飲食店は全て閉鎖する。ただし配達や持ち帰り等、個人宅用の料理は販売可。(7)理髪、美容サロン、マッサージ、タトゥーなど身体サービス業は、全て閉鎖する。医療上必要な治療は認められる。

(8)人々との接触がある全ての現場で、公衆衛生の規則を守り、従業員や訪問客への保護措置をとる。(9)上記措置の適用は最短でも2週間とする。

ドイツで心配なのは、政府財政出動の規模です。中国とアメリカには拝金思想がなく、しかし日本はお金の崇拝が強すぎて、主要国中唯一デフレ不況国なので恐慌は確実です。ドイツも東独出身のメルケル首相は緊縮財政の思想があり、統一通貨のユーロを十分投入して民を救えるかが注目です。
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2020/03/21

世界の新型コロナ対策はベーシックインカムか|日本の勘違いは健在?

人工知能AIによる職種消滅が問題となった2017年に、ベーシックインカムに関心を持つ参加者がシンギュラリティーをモチーフにした絵を出品しました。AIといえば、蓄積データが多いコンピューターか、自ら意思や感情を持つ鉄腕アトム型かの分岐点があります。その分岐点がシンギュラリティーとされます。

今の問題はコロナウイルスです。グローバル世界に微生物が広がり、『宇宙戦争』で死滅した火星人みたいに、疫病で人類が絶滅する危機です。絶滅までいかなくても、現代の生存に欠かせない貨幣を断たれた人は強盗や詐欺でつながない限り死滅するから、福祉の欠陥国は事態が切迫しています。

すると各国の最後の策は、貨幣の配給、つまりベーシックインカムしか残されません。同時に支給するアイテムに「超高性能スーパマイクロファイバー4Dマスク」も必須で、その生産性向上のためにも産業を動かし続ける労働は続きます。

ところが世界で最もベーシックインカムを必要とする日本で、ベーシックインカムの構造が誤解されている現実があります。AI問題で話題が広がった頃に、カリスマ評論家やご意見番たちに、ベーシックインカムの理解者はおらず、みんなで誤解を広めました。

何を誤解しているかは、「財源はどこにある?」「月何万円を1億人以上に払うなら、その額を税金で集めることになり、お金持ちは逃げ出す」という、どうしようもない初歩的な考え違いだったのです。

このどうしようもない考え違いが、そのまま世界で日本だけが貧困化している理由と重なっているのです。日本は色々な事情で傾いているのではなく、わずか一個の理由で傾いています。絶滅危惧種みたいに言われる美術関係者向けに、説明を用意しています。
→ベーシックインカムは誤解釈のデパ地下
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2020/03/17

ブログ村ランキングに参加してびっくり|日本美術業界は中央以外没落か

日本ブログ村に参加すると、全国ランキングというアクセス数順位がつきます。読者に「にほんブログ村」「アートランキング」を押していただくと、村の中で順位が上がり、そこからの流入が増える仕組みです。まずブログ総合ランキングにエントリーすると、順位は2万5千でした。

しかし庭木サイトや遺産相続サイトと競う意味もないから、カテゴリーのボタンに替えました。そこで驚いたのです。美術ブログを選べば、いきなり240位です。今加わってこの順位の高さは、エントリー数の少なさを意味します。

美術論のカテゴリーに変えたら、何と12位に上がります。ビギナーが上位に入ってしまうのは、全部で20ブログほどだからです。やる意味もありません。画家志望というカテゴリーも目につきます。それも試しにセットして一票を入れてみると。

何といきなり2位に躍り出ます。しかもビリ。つまり日本全国で参加者は現在1人だけで、その人のブログが不戦勝でトップの座にあるのです。画家志望者が1人?。その人が日本を背負って立つのかも。

美術の関連サイトで読者がいかに少ないかは、美術が日本でメジャーなジャンルになれていない現実と一致します。日本の美術業界はお客の獲得に失敗し、国民へのエンタメにできずにくすぶっていると、よくわかります。

最近少しブログの手入れを行っています。ブログマネージメントシステムこそありませんが、アートマネージメントの一環には一応あります。他の方のブログも改良して、横のつながりをつくってみようと考えています。
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2020/03/10

新型肺炎コロナウイルスとドイツ|国境なき新自由主義経済とグローバリズム

新型肺炎を起こすコロナウイルスは、欧米にも広がっていて、あらゆるイベントが制約を受けています。イベントを強行開催するにも、感染力の強さと人の免疫不足で無理があります。我々も直撃を受けています。

新型コロナウイルスで死亡する理由は、日本ではもうひとつが表の話題になっています。仕事を失って路頭に迷い、孤立死する確率の上昇です。これは平成大不況を故意に起こした、日本の奇行で被害が増幅されます。賃下げが主目的の働き方改革は、人命軽視だったのです。

日本の平成時代は世界史と数字が合いすぎて、新自由主義経済とグローバリズムという二大宗教を、日本だけが真に受けすぎて転落しているわけです。むろんそれを国民が自覚できない問題は別にあります。その話題は経済ブログに分けました。→https://i.gallerystory.com/nippon

国民の貧困化、すなわちマネーストックの削減と現役世代の所得減に、日本国民は入れ込みすぎました。自転車操業の時給労働をやめると死につながる人数を、国内に増やしすぎです。大勢が死んだ後で悟った1945年と似てきました。

新自由主義経済は、賃金カットと国力低下が目的意識にあるので、天災が起きると全滅する宿命を許す仕組みです。世界一天災が多い日本が乗ったのは、悪いブームでした。もう一方のグローバリズムは、人・物・金の国境を消して地球の仕切りを排除する主義です。

新型コロナが流行りやすいように、世界をつくり変えたから、まんまと流行った。国境の概念が、忌み嫌う存在から、頼りになる存在へ変わるのか。すでに次の世界構築へと脱出したイギリスも含めて、おもしろい時代が始まるのかも知れません。
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2020/03/04

JFB開催場所探しが始まるはず|ベルリン不動産消滅のジンクス

ドイツで美術展を始めて何度も起きているのが、展示場所の消滅です。盛況だったアートフェアも後日よく消えています。そして場所もなくなります。場所は建物オーナーの入れ替わりですが、改装もあります。

ベルリンが特にそうであるのは、東京と似ているかも知れません。東京もまたしばらくするとがらりと街並みが変えてあったり、ランドマークができたり消えたり。スクラップ・アンド・ビルドで、全く違うデザインで建て替わっていたりします。

それで、ジャパン・フェスティバル・ベルリンを開催した、いつものURANIA e.V.ビルも、改築が行われるそうです。催し物会場の一部をオフィスルームに変えて、テナント企業を入れると聞いています。しかも料金大幅アップ。それでJFB主催者は他の場所を探すことになるでしょう。

JFB2021の申込み募集は2月5日には始まっていて、それが取りやめになったのは、急な変化だったからでしょう。この急な変化は、この企画の特に現地在庫作品の扱いの変化と関係があるかも知れません。

ドイツで、レンタルルームの家賃が上がっています。理由は移民難民による人口増というのが、国際ニュースでした。ドイツでは住宅を高層化しないから、衛星都市に広げて高速列車でつなぐ手ですね。まだまだ都市開発が必要で、実際にクレーンが多くみられます。

2020年は世界が激動すると方々から予想され、世界同時不況の道連れからのがれたのはイギリスでしょう。世界の動向はイギリスから始まります。最後に日本がついて行く頃には、イギリスは次のことを始めて世界を引っ張っています。
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