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2020/12/26

作品は改善すべきか改革すべきか|現代アート絵画塾の方針

当初は展示企画のオプションだったマネージ・アンド・プロデュースのオプションを、現代アート絵画塾という単独企画に変えて好評です。もっとも作品改良するとなれば、日本ではやや抵抗があるのが普通かも知れません。

というのは、日本では芸術は売り物と対立する葛藤があり、束縛のない自由な衝動を尊重するからです。それがかえって伸びしろの制約になり、買うほどの特異性が小さくなる面があるのです。気の向くままだと、普通の凡作に向かってしまう。

売買市場が拡大しなくなり、受験産業に似た公募コンテスト展が増えるわけです。国内で展示即売会はブレイクしなかったし、展示会は高尚なままです。市民が美術を見る目を持たない前提で、上が価値を決めて下に習得させるやり方です。

この環境で制作する作家は、急進改革では失敗しやすいと感じます。思えば1980年代から叫ばれた日本の各種変更は、改革と名のつく全てが日本を壊してきました。改善とは違い、改革は飛び跳ねて、残念な結果となる経験則があります。

改革が失敗する理由は、過去とのつながりを断つからです。人は過去の延長に現在を築き、足し算方式をとることが多い。CG画で起きることですが、制作後に全てをやり変えると、長所も短所もまとめて裏返しとなり、元あった筋の良さも崩すから積み上がらないことが多くあります。リセットは改善とは違う。

作品を土台ごとひっくり返すと損失が目立つから、こちらも手直しにとどめてその範囲は広がっています。従来の9割を活かし、1割以下の改善でも大きく違うものにできます。美術のこういう方向での前進があまりないのも、コンテスト展だと見る人々が受動的になりすぎる結果だと感じます。
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2020/12/19

写真とCGはパソコンが2台は必要になる|作品データ画像の保全

パソコンディスクの故障へ備える話題から10日後あたりに、早くもランサムウェアに感染しました。いわゆる身代金要求の不正ソフトですが、ウイルスをばらまかないマルウェア型です。スパムメールやネットサイトに仕組まれたトリガーで、サーバー配信で攻撃してきます。

横同士の感染がないタイプは専門家の分析も遅れます。今回のマルウェアは、拡張子txt、doc、xls、pptなど事務系以外に、psd(フォトショップ)、dwg(オートキャド)なども消滅させます。原理的に元のデータには修復不能です。

対策は繰り返してきたように、ネット用と制作用の複数態勢です。美術作家はパソコンを2台は用意し、大事な写真データやCGデータは、ネット接続しないパソコンだけで扱います。海に出る漁船に、資産が入った金庫を乗せない理屈です。

加えて前回触れたシステム復旧アプリがあれば、ハードディスクの中身を消されても早く元どおりに戻せます。また作品データはDVDやブルーレイなど光ディスクにも複写しておき、水没しても助かる備えが必要です。それら周辺機器は、以前よりずっと高性能で手頃価格になっています。USBメモリは長持ちは無理です。

前に制作用パソコンだけ感染しました。ブログソフトのテンプレートを探した作業後の感染で、配布された圧縮データに仕掛けがあったのかも知れません。あの時は引き離していた別ハードディスクとUSBメモリから複写データを戻して、少しだけ喪失しました。

キャンバス画は500年残っても、デジタルデータは消滅する確率が高いので、現代の文化記録の課題になっています。酸性紙問題と似て、デジタル画は未来に消えてしまうと言われてきました。DVD-RWディスクなどをまとめ買いして複製を多めにつくり、分散して保管すれば当面は安心です。
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2020/12/13

ランサムウェアから復帰しメールが受け取れるようになりました

13日いっぱいはメールが受け取れませんでした。ネット動画サイトらしきでランサムウェアにやられたようです。最近のマルウェアはウイルスとは違い、遠隔からの不正プログラム攻撃が特徴で、アンチウイルスソフトでは発見しにくいのです。

復旧は早く済んだのですが、よりにもよって3日前に保存していたメールの山が、12月2日からリリースされたメールソフトの画期的なバージョンアップをまたいでいたようです。

メーカーコメントでは、メールデータの互換がない仕様変更を行ったという。それなら古バージョンのメールソフトを入れればよいのですが、やってみると齟齬があり、まだ調査中です。

この原因は、ひとつはメールソフトが無料のフリーソフトだからです。データはそろっているのに、自分でプログラム(機械言語ではないが)を書き換えないといけなくなりました。やはり本命は有料ソフトです。

バックアップから戻すと近い過去の受信分が抜けるから、一定期間分は再度ダウンロードされますが、送信分は戻ってきません。それはメール保存場所に残留しているのをより分けて、引き揚げる手を使います。

これの抜本的解決は、自分がスマホで送ったメールを自分のパソコンでも受信したり、ひかえをサーバー側に置く手もあります。
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2020/12/06

ベルリン2020クリスマス祭の屋台|コロナCOVID-19下で聖夜近づく

2020ベルリンクリスマス

2020年12月のベルリン市のクリスマスです。場所は2019の写真と同じで、毎年のカイザー・ヴィルヘルム記念教会。今年は2月からの世界的コロナ・パンデミックで、ほとんどお客がいなくて、行くとかえって心が沈みそうだったとか。

写真は現地時間15時前ですが、16時台にはほとんど真っ暗で夜の部みたいになるそうです。屋台の出し物はグリュ―ワイン、ソーセージ、レープクーヘンといった、現地の特産品らしく。

レープクーヘンは香辛料の入ったケーキだと説明がありますが、クッキー状でやや大きいハート形の特別製が売り出されます。固さは日本の「そばぼうろ」や北海道の「トラピストクッキー」のような感触ではないでしょうか。

ワクチンの開発は日本は不参加らしく、ドイツとアメリカで進んでいます。コロナが解決して、欧州中央銀行のユーロ財政出動で好景気に持ち込めば、次回は反動で盛大なクリスマスになりそうな予感を残して、今回はごく静かな聖夜になります。

2020ベルリンクリスマス
all photos: (c) Mihara
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2020/12/01

システム用ハードディスクのクローンをつくる|パソコンの故障を予防

美術活動にパソコンは不可欠です。ポートフォリオも紙印刷で持参や郵送する必要はなく、電子で送った10分後に相手が見終わる時代です。ただしパソコンのハードディスクはいずれ壊れます。経験則では毎日起動して、4~9年後に死にます。

連休明けに、通信用パソコンのハードディスクを新品に交換しました。4年2カ月使用。当然、OSの再インストールはやりません。それだと完全復活するまで40日はかかるから、非現実的です。そこでシステムバックアップソフトのクローンディスク機能を使えば、長くて6時間で再現できます。

システムバックアップソフトは、通常はDVDで起動します。パソコンのOSプログラムの一部はディスクの特定番地への記述が必要なので、単純にコピーしても動作しません。ユーザーがいじれない領域も複写する必要があり、全てを見下ろす立場で複製する機能がバックアップソフトです。

Windows付属のシステム修復コマンドは、ディスクが物理的に故障すると当然役に立ちません。OSが新しくなるたびに、バックアップソフトのバージョンも上げて、何度も買い替えて乗り継いできました。

今回のソフトは無料でも配られています。ただ無料版で、新ハードディスクが動作しないトラブル相談がネットによくあります。なので動作確認された詰め合わせ有料製品を買う方が、泥沼化する危険はずっと小さくなります。今回初めてクローンで使うと、一発で成功しました。一回で元がとれます。

システムバックアップソフトは本来はOS丸ごと事前保存しておき、旧ディスクが壊れた後で新ディスクに注入しますが、メールで差分の欠落が起きがちです。そこで先代のディスクが生きているうちに新ディスクへ引き継ぐ「生前交替」にすれば、ダビング時間だけで済み故障知らずを保てます。
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