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2022/08/24

国を頼らず一人で生きろで経済低落|新自由主義とグローバリズム

経済系SNSで意見が出てくると、やっぱり目につくのが若い成功者のビッグマウス「社会のせいにするな」「国に頼るな」です。一人の生きる態度としては立派ですが、国力というマクロ経済の視点では全く不合理な思想です。

なぜなら各国の政府は通貨発行権を持ち、通貨を2倍発行すれば所得倍増になるからです。企業ががんばって物を作って売るとお金が増えるのではなく、物が多いと政府が通貨発行できる上限の天井が上がり、追加発行分が経済成長なのです。お金を発行しないと成長しない。

日本の教育ではお金の生まれ方で嘘が教えられ、失われた30年と欧米が呼ぶ、世界で唯一のデフレ不況国です。ドイツに似た傾向があったものの、欧州中央銀行ECB総裁が考え直そうと立ち止まった話題は前にも書きました。ユーロ財政出動の基準を変えて、域内の通貨合計を増やそうと。

国民所得は政府が自在に変えられ、ボタン押しでどうにでもできます。うんと幸福にする国策が米中で、不幸にする国策が日本です。不幸にする歴史経緯は二次大戦に関係があり、経済ブログに詳しく書いています。『WGIP』の一環です。

選挙で積極財政の候補者に投票すれば、国民のサイフは厚くなります。しかし逆の緊縮財政の候補者を日本人は愛し、だから経済は続落しています。失われた33年です。そのうち、不況を利用して儲けた成功者は好景気に戻すまいと抵抗します。

それで冒頭のように、互助や福祉を敵視する物言いが現れるわけで。新自由主義とグローバリズムという1979年からの世界潮流を英米はやめたのに、日本は周回遅れで続けています。東京でボタンを押して発行する円が不足していると言い、外資に頼るありさまです。日本美術の追い込まれ方もそれです。
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2022/08/14

現代アート絵画塾の解説文を入れ替えて|欧州美術との落差を解消

現代アート絵画塾の解説文を入れ替えました。なかなか率直な書き方ができないと感じていました。日本で絵をかく人は作品を売ることを彼岸に置いた制作は意外に少なく、どちらかといえば真理追究的な方向が多いと感じます。

海外美術展示イベントに古くからご参加の方は、当初は売れる率が低く、売れると朗報が話題になった覚えがあると思います。しかし途中からほとんど売れなくなりました。そこでここで募集に加え企画もやるようになると、しだいに画商の役回りに変えて、売れる作戦へと発展させました。

作品展示あっせんや代行ではなく、はっきりと売るためのオプションコースを設けました。欧州展示で作品が売れる率を高めます。それで5点に1点が売れましたが、もっといけるはずです。周辺をいじっても解決しないので、デジタル版画の特性を活かして作品を改良しています。

ドイツ市場で続けるメリットとして、芸術性で何とかなる点があります。「芸術的に作れば売れなくなる」という逆行現象が起きにくい。「芸術性を薄めてやらないと嫌われてしまう国だ」的な困惑が確率的に出にくい相手です。わりと素直に成果が出るのを確かめました。

ところで日本の通販サイトの全作品を点検してみると、ドイツでこれらは買われないだろうという作品が並び、スカウトしたくなるワクワク感も乏しいと感じます。買う側にお金を払わせるだけの、特別な特徴が抜けている作品が多いのです。

買うものがない展示に苦情が来るほど、買い物目当てに見に来てくれる国だから、送り出す側が「売るつもりはないし」では未来はなさそう。芸術的なほど売れていくのだから、こちらに無駄や損はないという明るい気持ちです。
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