fc2ブログ
2022/09/25

エリザベス女王の初来日とスピーチ|日本がモテたのは昭和だった

エリザベス女王の初来日は、最後の来日になりました。1975年(昭和50年)のことで、晩餐会のスピーチをフル記録した動画を全て見ました。強調されていたのは戦後日本の高度成長への称賛と、協力し合い世界をリードしたい希望です。

今の日本は「失われた30年」が33年目なので、若い世代には世界をリードするなど絵空ごとに思えるでしょう。しかし当時GDPで、欧州各国を日本は超え世界2位。ヒット商品が続出し、世界に輸出していくつもの分野で圧倒していました。

たとえばオートバイです。1970年代半ばには、モーターサイクルレースは四強で、全て日本メーカー。鉄鋼も造船も強いし、建築土木も超強豪。テレビアニメ漫画は出そろっていたし、文学も海外人気。まだ菓子や日本酒は、それほど海外へ送っていない伸びしろです。

エリザベス女王のスピーチ内容に、ほめすぎた部分は少なく、欧米国は驚異と脅威を感じて、しかし平和主義だから、仲間をつくろうとしている動きがありました。日本国内で、マスコミが国際化の語を多発するのはもう少し後です。

その後、日本は世界に翻弄されます。『ジャパン・アズ・ナンバーワン』は女王のスピーチを裏書きしていますが、発刊された1979年にイギリスはサッチャー首相が新自由主義に換えます。小さな政府で貧困化させ、福祉を敵視して弱者を淘汰する一種の経済宗教で、先進国が没落を開始。

その10年後、ベルリンの壁崩壊の年、日本を倒壊させた白アリが消費税。若い世代は不安定な就業と所得減を食らい、ニヒリズムとアナーキズムに傾斜し、昭和日本を憎悪。互助で団結する農耕民族のDNAを、個人プレーの騎馬民族に変えたがり、できるわけもなく33年喪失中です。
スポンサーサイト



関連記事
2022/09/15

日本が戦争に近づいてゆく|アフターコロナは世界大恐慌後に酷似

日本の新型コロナ騒動は、我々も参加したジャパン・フェスティバル・ベルリン2020最終日の6日後の2月1日。コロナの経済低落は1929年の世界大恐慌の再来を思わせます。1930年代に世界各国で貧困救済が遅れ、ファシズムとナチズムが台頭し世界大戦となった流れです。5~8千万人が亡くなった二次大戦。

コロナ恐慌で戦争が見えてきました。日本も戦争へ向かっています。先日、与党の副総裁が戦争の可能性を初めて記者会見して、しかし世間の反応は小さく。主要な背景は「失われた30年」。海外宗教に財産を取られ家庭崩壊した少年が、成人してジョーカーとなり元総理を暗殺した、すさんだ社会もそう。

亡き元総理の「日本はお金を増やせ」派は失墜し、「お金を減らせ」派が全権掌握しました。重税で暴発したフランス革命の前夜に似てきました。日本の低賃金は、仕事ができない人の増加ではなく、お金の量を故意に削減しているからです。政府の通貨発行額が、企業の賞金総額になる理屈です。25年間減らして死者続出。

貧困化を進めれば国民は荒れ、押さえ込むためにファシズム、全体主義へと向かいます。最近になって話題の本が、ハンガリー出身の米経済学者カール・ポランニー『大転換』です。市場経済が個人を分断させ、大規模戦争へ至るメカニズムの書です。ただし戦争はすでに始まっていますが。

ウクライナと台湾の次が日本という確実な流れの中、故意にミリタリーバランスを弱めた日本です。自己責任論で自殺する女性が増えすぎた、この不穏な空気で国民に好戦傾向がみられ、国家てんぷくに期待する心理もじわじわと広がっています。ジョーカー予備軍も増え、怪事件が多い。

今後日本を救う人が現れブームになれば、その人は日本を徹底破壊するはずです。ポランニー以外の何人もが同じ結論を出し、同じヒトという生き物である以上は、歴史の必然をたどるはず。というわけで、いつか三次大戦を美術展のテーマにしましょう。
関連記事
2022/09/07

円安が進む原因は緊縮財政と消費税増税|通貨削減すれば価値は落ちる

日本で今二つの話題が盛んです。暗殺された元総理大臣を国葬にするかしないか。1ドル144円に下がった円安をどうするか。この二つ。両方の議論とも、日本の議員も要人も論者も国民も、全く勘違いして悲惨な的外れが展開されています。

そもそも的外れがひどいから、欧米が言う「失われた30年」は33年目の2022年にも、力強く突き進んでいます。どこを勘違いしているかは、コメンテーターの論を耳コピーした市民の声に表れています。路上インタビューに「円安になれば、経済が停滞するから心配です」と。その言い方、因果関係が逆さまです。

順序があべこべ。経済が停滞しているから、デフレ不況で物価が低い。その物価に対応する日本円は対外通貨比で相対的に価値が下がる。これが円安のメカニズムです。利上げしない日銀のみガリレオ状態で、周囲の批判者は全員が天動説。

現にインバウンドで来日した先進国の人々は、日本の物価が安いから強い自国通貨を為替交換して使いでがあるのです。日本はバーゲン状態。中華人民共和国民も、安い炊飯器や洗浄便座などで爆買いブームを起こしました。日本は物価が安すぎる途上国の立場なのです。特に外食産業。

経済停滞が先に起きています。「どこに起きてるって」。だから平成元年から続く日本の経済停滞を、欧米が「失われた30年」と呼んでいるではありませんか。緊縮財政と消費税増税で自国通貨を削減し続け、デフレ基調で賃下げが続いています。

日本では、通貨発行も徴税もインフレも金利も、まるきり勘違いした説明ばかり。一方のアメリカはトランプ大統領+バイデン大統領がドルをばらまいて、その結果ドル高なのです。他国は自国通貨をばらまいて、良性のデマンドプル型インフレ。日本だけが緊縮と増税と資源輸入依存で、悪性のコストプッシュ型インフレ。
関連記事