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2023/07/21

カメラレンズの意外な寿命|プラスチック部が加水分解でべたつく

デジタル一眼レフ用のズームレンズを最近買いました。11万円以上の製品で、年月経た中古なので2万円弱と安い。設計方針が変わった最新型の製品が必ずよいとも限らず、これも前モデルの方が良好だと判断したひとつです。

やはりゴムリングが少しだけべたつきます。現代的なカメラの欠点はオール金属でなく、生ものの材質が経年劣化することです。そして今回引退になりそうなレンズメーカーの接写用マイクロレンズを、カメラから外してびっくり。

距離と倍率が書いてあるプラスチックリング部分が、加水分解してベタベタになっていました。1年以上前から今回のレンズ購入の検討で、電気防湿箱からカメラとレンズを出して机に置きっ放しにしていて、2023年梅雨の間に化学変化が急に進みました。1993年購入から30年。

距離リングを回すと内側のべとつきが鏡筒に付着し、ガムテープの粘着みたいな摩擦で固着しました。試しにアルコールでふいても改善せず。純正のマイクロレンズを別に持っているから出番もないし、製品の寿命だと理解しました。

マイクロレンズを2製品用意したのは、純正より硬質に写るズームレンズを見て、建築模型撮影用に同メーカーのレンズも買い足したから。ドイツ遠征展で参加者の作品を撮影しジクレーを作ったレンズもそれでした。マイクロレンズは収差がわずかで、画面内の直線がカーブせず真っ直ぐに写るのが特徴です。

使用不能となったマイクロレンズは、今回買ったズームレンズで記録撮影しておきました。今回の教訓は、近年のカメラはゴムとプラスチックが弱く、防湿箱に入れるか乾燥剤を使い、空気中の水分との結合を防ぐことです。
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2023/07/08

作品を改良する時の原点は常に自分の作品|他人の模倣だと敗退

海外美術展で売れた作品と売れなかった作品は、その場限りの結果論といえます。しかしここでは、統計記録も含めて研究対象にしています。「やっぱりそれが売れたでしょ」「思ったとおりの結果になった」というケースが多いからです。

ただしAさんの作品とBさんの作品の、どちらが売れるかという問題ではなく。売れたBさんの3点のうちこれが売れた、それが事前の想像どおりになる点に注目しています。一作家の作品同士をくらべた完成度に、課題の焦点があるのです。

Aさんが、Bさんの作風との差を参考にする必要はなく、Bさんの中で売れた作品と売れなかった作品の違いが重要なのです。自分の作品同士の上位争いやベスト選定する目として、切磋琢磨の余地が広がっているわけです。

自己ベスト作を展示すれば売れた。ところが第二弾が続かないという壁がよくあります。成功した一作がたとえまぐれでも、そこから発展させれば何とかなるものです。しかし何度作れども下回り、次の快心作が出ない場合もあります。スランプ。

こういう時に、作者が自分一人で考え続けても行き詰まるので、いっそ他人の目で診断した方が早いのです。制作アシスト企画で作戦を用意しています。相手が買わない理由を見つけて除去するアプローチもあります。

資金が余っていない画家にとって一回の展示会は限られた実験機会なので、漫然と作品を送り出さずに個人テーマを立てて攻略を意識した方がよいでしょう。制作し続けるうちに惰性や爛熟に向かい、作品が希薄になることも多いので。
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