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2015/06/30

ベーシストが塗る暗色の妙

突然亡くなったロックベーシストのクリス・スクワイアと、ジャズベーシストのジャコ・パストリアスは、やっていたことに共通点があります。ベースギターを特別に疾走させ、バンド演奏にスピード感をもたらせていました。

ベース楽器の基本は和音のルートを鳴らし、オカズもつけるわけですが、彼らは合奏全体に斜めに切り込んでいき、もうひとつのテーマを鳴らしていたのです。クラシックでいえば、コントラバスでチェロやファゴットのように音数多く動き回って、一聴してやつだとわかる個性を発揮していました。

そうした楽器の音域に、絵画の色が何となく当てはまります。たとえば重低音が厚い曲は、白い絵よりも黒い絵とイメージが合います。音の周波数の高低が、色の明度の高低に一致する感覚です。

パステルカラーだけで塗られた絵に、少し暗色を加えるだけで、音楽でいえば低音楽器を加えたような重厚と充実感が付加されたように見えます。

二人の演奏は、暗色をバック全体に塗った絵とは違って、明るい絵の上から暗色をたくさん散りばめたような効果を上げ、バンドの雰囲気を大きく支配しました。その散りばめ方に独自の音階と間合いを発揮して、それぞれの分野で特別な敬意を受けるに至ったのです。
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