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2015/11/06

良い展示企画に参加する話

「良い企画があれば参加します」という声を時々聞きます。しかし、展示会は旅行への参加とは違います。旅行会社に申し込む参加者の立場は見物人です。が、美術展に申し込む参加者は見物される立場です。役者側。

参加アーティストは、ショーの舞台に上がる出演者に立候補するわけで。祭を開催する業者の一員でもあるから、企画の成否を動かす立場に回ります。作品に魅力があれば、その展示は見物客の目に良い企画に映るでしょう。逆に魅力不足だと、ダメ出しを受けることもあるでしょう。

日本の展覧会は、心を豊かにする体験学習の意味合いで雰囲気が重視されますが、外国では展覧会は売店です。雰囲気にひたるよりも購入目当ての物色が主目的で、予算も決めて来るのが普通です。買えないものばかりだと、良い企画とはいえないわけです。

会場の見た目も相手には二の次で、暗い場末的一角をギャラリストが聞きつけて偵察に来たりします。場所の良し悪しで成否が決まらず、結局は作品が主役を張ることになり、場を染めるキーマンの役になります。旅行への参加とは大違い。

これは、日本の権威ある美術館学でさえ長年勘違いしてきたことで、美術館のハードウェア自体に客を感動させる物語性を表現しようとした設計は、言ってみれば邪道だったわけです。
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