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2015/11/30

美術展と音楽CDの作品量 1

ジャズ系フュージョンギターのパット・メセニー・グループには、最高作が2枚あります。その『スティル・ライフ』と『レター・フロム・ホーム』の関係を考えます。

『スティル・ライフ』のCDはレコードフォーマットに引っ張られ、演奏時間47分でした。文句なしの傑作。一方、CDフォーマットに合わせた次作の『レター・フロム・ホーム』は64分で、こちらは微妙なのです。バンドのピーク曲は『レター』側にあるのに、聴いた印象は薄まって感じられるからです。

『スティル』は全7曲で、『レター』は12曲。CDプレーヤーのメモリー再生で、試しに『レター』から一部の曲を除外すると、偶然『スティル』に近い演奏時間にまとまります。そして、ずっと濃い印象のアルバムに化けます。要するに、『レター・フロム・ホーム』は曲を詰め込みすぎたせいで、評価で損したアルバムに仕上がっているのです。

ポピュラー系の名盤が、CD時代よりもレコード時代に多いのも、演奏時間の適切さで説明されることがあります。ある限界より多くなれば全体の締まりがなくなり、一曲一曲の効力が減退してかすんでしまうこの現象は、美術展でも起きるはずです。
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