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2015/12/01

美術展と音楽CDの作品量 2

ポピュラー音楽アルバムが一枚で78分もあると、傑作と呼ばれにくくなるであろう話のつづき。

作品が多いほど個々が迫って来ない現象は、美術館計画学の初歩です。民間の展示会でも、絵画20点を並べると4点が売れて、ならば100点並べると同じ二割の20点売れる計算ですが、結果は意外に少なかったり、3点きりと実数が逆転したりも起きます。

たまたまのこともありますが、作品の数量が多いほど、鑑賞者の脳が疲労してマヒし、感性が低下する理由もあります。また、最初から大量の作品が目に入ると、個々の作品に割り当てる集中力を減らして、深入りしなくなる心のブレーキもはたらきます。無意識に頭脳の温存を行うせいで、キャッチ力の鈍化が起きるわけです。

企画の中で作品を絞り込む作戦が増えたのも、印象が数量に反比例する相関へ考慮しています。作風は変えずに、そろえ方を変えるなど。作品が多いほど展示日数も増やし、途中で並べ替える手間も欠かせません。

巨匠の回顧展ではスタッフによるお膳立ても念入りで、お客は作品への深入りと、深読みや買いかぶりも起きやすくなります。スタッフはお客が見過ごさないよう、傑作はこれと示しておくのが美術館の使命なのでしょう。しかしこれでは、主役と脇役が決まった筋書きのある鑑賞になるでしょう。
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