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2016/03/24

アートフェアの高級美術という区分

芸術という視点に照らせば、高級美術を狙う制作アプローチは有意ではなさそうです。高級感をまとった美術を作る発想は、芸術の成り立ちと相容れないという。高級狙いは、創造にあらず。

その証拠は、西欧史上最高の美術品にもみられます。『モナリザ』は時価一兆円と見込まれ、オイルマネーでいっそう高騰したゴッホのさらに50倍。しかしそのどちらも高級指向のお値打ちづくりとは違った出自であり、当初のイメージは何でもない肖像であったり粗末な怪作でした。

芸術に上下なし。その高低に創造的根拠なし。作品から読む気品や、時にオーラと呼ばれる無形の何かは後付けであり、だから名品がいつか没落したり、ゴミ作品が大化けしたり、上がり下がりが進行しています。

作品にハイエンドたる素質が内在するとの絶対感は、後世の結果論からのフィードバック成分が多大で、ほとんど洗脳に関する心理学的領域なのでしょう。アートフェアの高級美術セグメントは、セレブのみ入手可能な高額を高級と読み替えた連想ゲーム的な感覚もあろうかと。

新作美術に接して、リアルタイムに高級と感じる体験があります。これとて美形共感が大半で、へたすれば人種のルックスを格の上下に読み替えるあの反応と、思考法が似るわけです。危ない危ない。だからここで進める作品向上作戦も、高級美術へ近寄せるよりも、美の上下概念を壊すような意図です。
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