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2016/04/09

画廊の経費はどこから出るのか

日本で以前から、画廊と美術家の関係で、ある論争がありました。個展や団体展を開く経費を誰が出すかです。一般企業人など部外者はこう主張してきました。美術家が経費を出すのは、絶対に変だと。

売れた作品から出すのが本当だと。場所代を払って、売れた作品からも払ってと、美術家が二重に払うのはおかしいと。展示会への参加は無料であるべきで、画廊側は作品売り上げで経費調達するのが正しく、現状は画廊による詐欺だとする主張。

日本では美術業界の印象が良くないから、こうした画廊批判にかっさいが集まります。しかしこれは実際とは異なる想定が根拠であり、誤った想定の正体は展示ごとに大売れする憶測でしょう。実際には簡単に高く多くは売れないから、収支が合う現状に落ち着いているのです。全部売れる芸能人の展示と勘違いしたのでしょう。

フランスやアメリカのギャラリーから誘われ、美術家は場所代を払って作品展示し、売れたら何割かをまた払うのは、ギャラリーの存続のためと関係者は心得ています。国内の巨匠画家も、海外での一歩は同じです。現地で高く多く売れる結果がわかって、初めて費用をギャラリーが持ちます。

外から見てわかりにくい原因は、芸術創造ほど自由が許され、奔放が期待される分野は他にないからです。全ての作品は怪しい実験物です。この点で、芸術は確かに常軌を逸しています。他の分野は需要に応じるマスプロダクションだから、芸術を斬る根拠としては使いにくいでしょう。
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