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2017/01/18

ジクレー版画展には誰もが参加できるのだという意味

ジクレー版画の参加資格は、版画家だけと思われてしまったことがありました。実際には油彩や水彩画から作ることが多く、それどころか立体物もジクレー版画にできます。

ジクレー版画は、版画以外の作品でも版画で量産できる技法です。技法といっても、作品を撮影してプリンターで出すだけ。すると、疑問もわくでしょう。プリンターで出した印刷物、つまり単なるプリントがどうして美術に格上げされるのかと。日本の15年前の議論がこれでした。

実はその疑問に答が出ています。プリントとは版画を意味する英語です。プリントと聞けば、小中高校の試験問題や答案用紙、あるいは注意説明チラシを浮かべるのが日本人です。プリント版画への違和感は、英語と日本語の違いが大きいのです。

ヨーロッパでは、版画と印刷物は同じものです。プレスマシンとプリンターは同じ装置を指します。印刷の「刷る」と版画の「刷る」は、完全に同じ意味。類似物をたとえているのではなくて同一物。だから現代の新聞紙も、スーパーのチラシも、書店にある書籍も、正体は全て版画です。

ところで「ヨーロッパでは」と言えば、実は「知ったか」なのです。江戸時代の瓦版(かわらばん)と呼ぶ新聞の元祖は、木版画だったからです。浮世絵のやり方で出した新聞。何のことはなく、日本でも版画とマスメディアは同じでした。版画でビジネス文書を作るために、レーザープリンターが開発されました。

現代の版画に入門するなら、絵図をコンビニのレーザープリンターで複写すると、本物(真物)の美術作品ができるのが基本原理です。レーザーの粉末トナーよりもインク吹き付けならずっときれいになりますが、別にきれいだから美術と呼ぶ理屈ではなくて。汚い印刷でも版画です。
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