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2017/01/24

トランプ大統領にマスコミが突っ込まない部分

2017年1月20日に就任したアメリカのトランプ大統領の欠点は、恨み深いところ。敵からの攻撃を笑ってかわせない神経質が、折々に摩擦を起こすでしょう。

しかし最もまずいのは、誰が敵なのかの思い違いかも知れません。アメリカ国が損をさせられる構造は現にあるわけで、TPPが代表するように資本家の財テクのせいで、産業が食い荒らされる問題です。しかも利益は国に入らず、タックスヘイブンに隠匿されるし。

TPPは国と国の闘いではない。アメリカに工業製品を捨てさせ、日本製に勝たせる。その代わり日本に農作物と医薬品と保険商品を捨てさせ、アメリカ製に勝たせる珍アイデアでした。TPP文書の作成はアメリカ政府ではなく、富の偏在を糧とするグローバル企業の顧問弁護士なのがその証拠です。

世界中の企業株を売買する1パーセントの資本家が、99パーセントから搾取する。そこにメスを入れれば彼はヒーロー。なのに彼がアメリカの敵を国単位で考えているのは、グローバルな新自由主義経済を勘違いしている疑いあり。他国政府が敵だと誤認しているミスです。

1と99のバランスが崩れた格差拡大で、英米は内部分裂して、EUや日本など先進国も低調です。そこをトランプ大統領が誤解すると、反トランプのマスコミはそこを意図的に黙ると予想できます。彼が国際構造からずれたまま倒れると、1パーセント側の支配力は温存できるから。

さて、アートで似た勘違いを探すと、「芸術が堕落している」の訴えが似ています。確かにそれはあるとしてさらに話を聞くと、「近ごろの作品はきれいじゃないからだめだ」と言う。大昔から芸術はきれいごっこではないわけで、せっかくよいことを言いながら根拠は「そこかよ?」と、そんな感じ。
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