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2017/02/07

ドイツ車とアメリカ車と日本車の文化背景

ドイツ車と日本車は、以前から方向性が似ていました。日本車の思想はフランス車とは異なり、イタリアやイギリスとも近くなく、やはりドイツが近い。日本でシェア確保に成功した外車はドイツ車だけと言われ、あたかも日本車の上級グレードの位置づけです。

「日本はアメリカ車に対して不公平だ」とするトランプ大統領の話はウソで、アメ車を日本へ送ると関税は免除され、逆に日本車をアメリカへ送ると関税は2.5パーセントです。驚いたのは、昨年2016年中のフォード社撤退でした。2017年の今、もういない。

日本代理店は111年の歴史だそうで、影の薄さと積極性のない不思議。不思議といえば、98年頃のGMシヴォレーブランドのSUVブレイザーも、日本のランドクルーザー70程度のサイズと右ハンドルで健闘しながら、広く知られる前に打ち切るあきらめの早さ。残された大型のトレイルブレイザーは左ハンドルで全く売れず、奇妙なマーケティングでした。理由は中国重視。

アメリカ車が日本でもてたのは、1970年代でした。マッハワン、トランザム、カマロ、スティングレーといった6600~5700ccエンジンの、異様に大きく低いルーフ、かつ大きいロードクリアランスのスポーティーカーでアイデンティティーを確立しました。

しかし石油価格を産油国が決めるオイルショックで、アメ車は転向や別の引き出しを求められ、失敗して1980年代の日本車バッシングに続きました。日本車をハンマーで叩き壊すテレビパフォーマンス。なのにアメリカでは日本車ファンがその後も増加し続けて。昨年のスバルの爆売れとか。

小型のアメリカ車は欧州車に匹敵しない上に、伝家の宝刀たるフルサイズSUVも近年の重苦しいルックス続きで、世界中で売れない理由はわかりきっています。これはグローバル経済の被害よりも、単純にデザインマーケティングとカースタイリングのまずさでしょう。
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