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2017/03/10

一眼レフとスマホカメラの画質、差は大きいのか小さいのか

カメラ業界もまた不況業種の近傍にいて、その原因は携帯電話機にカメラ機能があるからでしょう。ネットでも、携帯電話があればカメラは永久的に不要という声がみられます。

最新の携帯電話カメラの画質の良否を検証するために、一眼レフカメラとスマホカメラで撮りくらべた画像がよく出ています。大きな違いは、色の再現性です。その差は、日中の晴天で目立たず、室内や暗がり、またライト類が画面内に入ると目立ちます。出版DTPの現場では困りものです。

一般に小さいカメラほど撮像センサーも小さいから、レンズを通して焦点を結んだ一画素ずつの色を、よりアバウトな精度で受け取ります。それを自動処理で補完計算し、推測値で埋めて記録します。暗部に発生する偽色(ぎしょく)もそうです。小さいカメラほど補う量が増えます。レンズも小さいので、結んだ焦点の精度も低い。専門用語で言えば、収差が大きい。

略式の小さなカメラは、白と白の違い、黒と黒の違いの描写が苦手です。クリーム色など明色が白一色に飛んだり、ぐんじょう色の服が後の黒カーテンと分離せず、溶け込んだりします。オークション画像で、黒服が濃灰のシルエット状に写るのも同じ性能不足です。布の凹凸が写らない。

ぱっと見重視できれいにつくろった画像なので、出版向けの調整であまりに時間を食い、十倍ですまない効率の差になります。どんなにいじっても、プロのクオリティーにならない。意外にWEBサイトの美術作品も、撮影カメラで見栄えの差がはっきり出ます。

プロカメラマン以外は携帯で十分という結論を見かけますが、これは日本人の美的感覚が落ちた証明とは違うでしょう。25年めの平成大不況で所得減がさらに続いて、「読みたい本がない」「乗りたい車がない」「行きたいデパートがない」と同様、カメラもまたイソップ物語のぶどうだからです。
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