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2017/08/26

アスリートのドーピングとアーティストの盗作

WBCボクシングで、山中選手のTKO負けニュースが話題でした。具志堅選手の13連続防衛記録に並ぶかというタイトルマッチで、一度もダウンしないままコーチがリングへ上がり試合を止め、「神の左手」がさく裂せず不完全燃焼の4ラウンド。

これで引退だから、果たして棄権が早すぎなかったかがテレビで議論されました。「打たれたダメージはそれほどなく、いつもの逆転勝ちの余地があった」「相手のペースだったから、続けても身の危険があった」など対立意見が噴出して。

ところがチャンピオンベルトを奪取した相手選手は、その後の検査で来日前の禁止薬物ドーピングが発覚し、没収試合になるかもという。山中選手を棄権させたことが妥当だったかはもう過去の議論で、今はベルト返還や再試合の議論へ移った目まぐるしい展開です。

オヤジ談議ならともかく、評論家やスポーツ記者が書いたスポーツ新聞や専門誌はどうなるのか。元挑戦者の好調と、元王者の不調を細かく取材した入魂の分析も、全て的はずれな結果論になるわけです。敗因分析も全く無意味だったという。

似たことは五輪でもあり、ハンマー投げの銀メダルが金に繰り上がった以降、日本も何度か巻き込まれました。表彰台の映像と公式記録で顔ぶれが食い違う、おもしろくない事態です。八百長でメダルを奪ったと、アクセス広告狙いのフェイクも現れるし。後で結果がくつがえる心配が大きいのなら、評論家たちも真剣に論じる熱意が落ちる。

美術で似ているのは、コンテストの受賞作が盗作だったケースです。違法ドーピングでの一位だったわけで、創造力や感性を称賛した文章は、勘違いの妄想みたいに浮いてひどい被害。数年に一度の騒ぎでも、美術業界の悪いイメージが抜けなくなっていきます。
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