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2017/12/11

アート展示会の下準備でやることが増えている時代

大学で屋外彫刻をつくり、苦労して完成し市街地に運ぶ直前に、教官から突然言われました。「作品タイトルは何?」。考えもしませんでした。ひどくあわてて、たまたま台風が来て外は強風で、そこから取ったのです。

音楽分野で曲のタイトルに、その時に起きた事件をヒョイと題名にするのはよくあり、ビートルズ曲にもそうしたテキトーなタイトルがあります。問題は、美術展に向けて美術家がやっておくべき準備の多さです。

アーティスト名と作家サインを決めていないと、けっこうあわてます。日本ではサインは作品を汚すもので、絵の純粋さと清潔感を保つためにサインを省くか、しぶしぶ淡く小さく入れる傾向があるみたい。しかし市民が価値を決める欧米文化では、署名なき状態は敬遠されるようです。

また作品が人手に渡ると、作品サイズ、材質などの情報がわからなくなります。作品一覧をつくってサイトをつくる時に、ネームがそろわず空欄ができて、カッコがつかないことに。

特に絵画は、撮影画像がないと悔恨となるでしょう。非常に精密な複製画がつくれるハイテクの時代になっていて、作者の存命中は版画の名で売るルールです。作品完成時の高画質な画像は生涯の収入源になり、展示会にも顔を出し続けられる利点です。昔はなかった今の特典。

大学の彫刻では、教官のもうひとつの質問に面食らいました。「値段はいくら?」。考えもしませんでした。2人チームで組み上げた高さ3メートルの鉄製彫刻を、売る発想がなかったのです。この最初のつまずきは、日本国内によくみる問題だと後で知ります。
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