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2017/12/17

作品の販売を強化する発端は外国からのブーイングだった

今年の新人は、参加検討中に出品を断念したケースが多かったようです。不合格はないから、最初に出品向けの作品を探すわけですが、その途中で準備不足を感じたのかも知れません。制作の上手下手の次元ではなくて。

作品の良し悪しは、当初の企画では不問でした。コンテストではないから。ところがドイツ側のお客は、日本のように何でもありではなかったのです。作品が至らない時は、現地客ははっきり指摘したそうな。現地での反応から察するに、作品内容がショボいのは最もまずいと知りました。

日本の展覧会は全く違う考え方ですね。鑑賞は無料だから、出品する側の美術家が望むとおりの作品を気が済むよう展示するものだと。作る側が自由に振る舞う権利があるというのが、日本のアートイベントにみられる常識でしょう。僕の芸術的衝動が優先すると。

しかしアートが一般化して、市民一人一人が審査権を持つヨーロッパは違います。無料見物であれお客たちの時間を消費しているのだから、引き換えに得るものが必要なのだと。この得るものとは、目の保養だとか心の糧となる体験などではなく、作品の実物だったのです。

現地客は作品を買いに来ます。家の壁やコレクションに加えるために、日本の新作展にも足を運んでくれます。裕福なコレクターは、内容しだいで高くても買う。当然ながらこちらも応じます。元々が売り物のつもりでない実験作品や奇抜作品であっても、相手が買い取れる範囲に入れて送り出します。

ところが日本では「芸術は自由なはず」「自分を曲げるべきでない」「ゴミが何億円にもなる時代だし」の何でもありが悪く出て、見る相手の存在が消えています。「別に売れなくてもよいさ」の割り切りが、芸術度を下げる元凶です。
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