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2014/11/13

3Dプリンターの夢と美術

3Dプリンターで、世の中が変わるという話題があります。ありました。最初のトピックは拳銃で、どうも自由を得ると悪事をはたらくのが人の世で。

平面ではなく立体なのにプリンターと呼ぶのは、液状化した樹脂を噴射や塗布して、立体物を空間に積み上げるからです。コンピューターで制御する工作機器自体は、かなり前からあります。

たとえば『字切る博士』という製品が、看板業種でありました。ハイド紙ではなく、ケント紙やカッティングシートから字を切り出すプロッターで、MS-DOSの3や5で使う出力機器でした。それを三次元化した自動彫刻機も、日本のローランドかグラフテックが製品化していました。

そのブロック削り出し方式だと、ピンポン玉のような中空物は作れませんが、今の3Dプリンターだと作れる理屈です。これも夢の実現とされるゆえんですが、今の期待は大げさでしょう。立体プリントしたピンポン玉が卓球台で元気にはずむか、適切に素材を調合する悩みを考えれば、今後も玉は自作せずにスポーツ店で買うのが得です。

3Dプリンターの本来の目的は、プロダクト業務でのクレイモデルの代替です。模型作りのツールとして、三次元CADから中間チェックする目的です。粘土のように部分を作り変えできなくても、これをアート制作に使おうという呼びかけが聞こえてきます。

彫刻に使う将来性を占うには、二次元グラフィックソフトを画家がどの程度制作に使っているかが参考になるでしょう。その実態は、デジタル化はコストがケタ違いに高く、手作業より断然遅くて味も希薄。3Dプリンターのアート作品展を考えても、どうしても腰が重くなります。
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