FC2ブログ
ドイツの美術展は、会場がオンボロでも成り立ちます。作品の周囲が乱れてごちゃごちゃしていても平気。場所の体裁が悪くても展覧会場に即仕立てられ、皆も慣れていて違和感がありません。美術が一般化している前提があるから、どこでも展覧会場にできる手っ取り早さがあります。

対して日本で美術展を開く場所は、きちんと整っている上で清潔感や格調も期待され、クリーンな透明な場所を用意しなければならない手っ取り遅さがついて回ります。だから会場の美化にコストもかかります。

この差の理由として、日本では美術作品のどこに注目すべきかが、個人の中に備わっていない前提が考えられます。見る目が作品に集中できない不慣れへの対処として、透明や白い背景が必要であろうと推論できます。冠婚葬祭のような、雑念を排したおごそかな静かな場所で。

言い換えれば、作品を置く環境しだいで鑑賞があまりに影響され、曲げられ妨害されやすいのでしょう。雰囲気しだいで、作品の味が大きく変わってしまう、頼りない鑑賞が常態化している疑いです。自分の好きなように見るには遠いという証明なのでしょう。

ドイツによく見る貸し展示イベント会場は、廃屋のリユースです。リフォームではなく、リユース。壁を塗り直さずボロボロのまま。中古車にたとえれば、外観がかなり凹んだまま板金塗装をやり直さず、赤く錆びた状態のような展示会場です。そこを背景に絵や彫刻を置きます。

ボロボロの壁の絵にはアーティスティックな趣が出て、何だかかっこいい。日本でも1980年代前半、ウオーターフロント再開発のフィッシャーマンズ・ワーフのブームで、古倉庫やロフトの美術展が話題になりました。レンガ壁やアールデコ調が日本にもあった。でも美術が一般化しておらず、主役である絵の楽しみ方が安定せず、ドイツのようにはいかず。
関連記事
スポンサーサイト

|09-16|ドイツ事情スケッチ||TOP↑

日本現代美術をドイツへ

ギャラリー日独物語

リンク

カテゴリ

最新記事

月別アーカイブ

ご案内

クラウド・ファンディング物語
ギャラリー日独物語

ミニコラム集1
ギャラリー日独物語

ミニコラム集2
ギャラリー日独物語

最新トラックバック

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR