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2018/11/05

日本よりもドイツの美術展の方が会場が雑なのはなぜ

日本国内にもアートフェアがあり、参加した不満に作品が売れてとられる上納金の高さがあるそうです。それは理由があります。話は回り道して、ドイツ展企画の後で「よかった」の声は、参加者全員とは限りません。あれっと感じるのは、会場が思ったより雑な点です。

日本の美術展は、会場を白く整えたピュアな雰囲気が多い。関係ない備品類を白幕で隠し、気が散らない空間にします。冠婚葬祭の場と同じ。対してドイツでは殺風景な室内も多く、ざっくばらんな普段着感覚や即席仕立てが意外にあります。日本はすっきり清潔、ドイツはごちゃごちゃ。

日本のイベント会場は、美化と雰囲気づくりを重視します。これが箱物行政など、器の高級化に熱が入る伝統ともつながるでしょう。場をきれいに整えた付加価値的な費用を、売れて気をよくした美術家へ追徴するわけです。

日本のアートフェア主催団体は、作品売り上げの5割とることもあるという。だから画商は参戦が困難です。一方、ドイツのアートフェアには主催団体への上納がありません。最初の場所代だけ払えば終わり。売り上げの2~3割を画商がとり、美術家は自宅にいても7~8割とるというように、出品側だけで山分け。

ドイツで会場美化が手抜きされるのは、現代アートの売買が盛んだからでしょう。お客は買い物が目的だから、場所が執務室でも丸太小屋でも草原でも、作品の中味を注視するのに慣れています。欲しいのは展覧会場の雰囲気ではなく作品。美術を信じている国だからか。

ドイツで器が立派だと、作品価格に転嫁されている心配がお客に起きるでしょう。日本なら避ける粗末な場でもドイツなら売れるから、古建築を廃墟状態で活用するイベント会社が各地にあるほど。当然我々も空気を読み、買える範囲に作品を入れて展覧会を完結させます。
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