FC2ブログ
2019/02/05

バレンタインデー日本のもうひとつの憂うつがこれ

毎年、この季節に話題が出てくるチョコレートです。今年の話題は、社内でチョコレートを配る女性を社則で禁止して欲しいとの要望です。チョコを買う側から出た訴えなら不景気が理由でしょうが、もらう側の男性の訴えが意外に多いという。

ははーんモテない男の訴えかもねと疑う声が出ていますが、別の訴えもみつかります。メーカーやデパートやスーパーを儲けさせないよう、チョコを贈る風習を絶対にやめて欲しいという願いです。菓子業界にお金儲けさせないでくれという切実な訴えが、今回もまた多数出ていたのです。

この憂うつな訴えが興味深いのは、芸術で似た願望が根強いからです。芸術をお金にしてはならない思想が、日本に特別に強いのは確かです。ミューゼオロジー研究で考えても、日本の展覧会で作品を売らない慣習が強固である謎があります。物の売り買いを不浄で不吉とみる思想が根底にあるような。

聖バレンタインに本来無関係のチョコレートを便乗させたアイデアは、店ではなく製造業が考えたもので、当時は売れなかったチョコレートを人気商品に変えることに成功しました。昔あまり売れなかった理由は、要するに国際社会で円が安いせいで原料のカカオ豆が高価すぎたから。高いチョコに付加価値が欲しかった。

このアイデア商法に微笑みや苦笑いではなく、強い憤慨と断固反対のこぶしを振り上げる人の多さが、日本の特異な一面にみえます。他人の商売がうまくいくぐらいなら、全国が消費低調で不景気になる方が心休まる「ストップ・ジ・商い」の心理が、よくある「芸術で商売するな」と同根ではという疑惑です。

バレンタインデーの商戦で他人が繁盛するのが悔しくて足を引っ張る動機なのか、全く違う何か過去のトラウマでもあったのかは、フォークロアや社会学で研究済みかも知れません。美術界にある「売り絵」という隠語的な用語も、この話と関係があるのです。
関連記事
スポンサーサイト