FC2ブログ
2019/08/11

事故物件を恐れる心理と東日本大震災の幽霊

毎年お盆が近づくと決まって出てくるニュースに、幽霊の話題があります。今年の記事のひとつに、事故物件公示サイトという情報会社がありました。自殺や殺人や変死が起きた家や土地を明記して、国民に知らせるネットサイトだという。

サイトを見ると場所を日本地図で示してあり、駐車場での自殺や飛び降りと記されています。そのアパートやマンションなどを、世間に広く知らせる便利サイトだという。この話題の裏には、日本の貧困化で自殺と孤独死が増えた事情もあります。今さら好景気にする正解がとれない、政界のメンツ問題が言われるほどで。

若者に限らず中高年の自殺も急増したのは1997年頃からで、世界的に韓国と並んで目立って高い若者の自殺率がひときわ上がったのは、失われた何年と言われた平成デフレ不況です。しかし事故物件を告知する前提に、根本的な疑問もあります。

亡き人の霊が悪役である大前提です。化けて現世の人に危害を加えたり、あの世へと連れていく解釈に沿っています。不幸を避けたければ、事故物件に住むなという警告以外の何ものでもない。死者が連続殺人鬼と化して、生きている善人を攻撃すると決めてかかっています。人の霊をテロリストと認定している。

不遇な者の霊が、生きている者を保護したり、危険を教える役になる前提がありません。たとえば水路に落ちかかった子を、そこで事故死した人の霊が道路側へ押し返してもよいはず。しかし逆に、水路へ引き込もうとする極悪な犯罪者の位置づけに、霊が想定されています。

霊を敵視し冒とくする共通心理は何か。死への恐怖は当然として、日頃他人へ抱く敵意の投影や、死者を究極の障がい者とみたてた差別的感情もありそうな。ところが、あの東日本大震災の幽霊研究だけは、被害者の霊を悪役扱いしませんでした。ふるさとを思う守り神へと、初めて解釈を変えていたのです。
関連記事
スポンサーサイト