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2020/04/11

日本人はなぜ上が決めたことを丸ごと信じる?|受動的行動と事大主義

日本人論の中で昔からよく言われてきたのは、お上が決めたことを無批判に受け入れ、従ってしまう傾向でした。すぐに出る実例は、第二次世界大戦参戦への国民的な賛同でした。もっとも、国民を扇動したのは新聞とラジオ放送でしたが。国民にとって、報道アナウンスがお上でした。

最近の日本人論も、扇動に簡単にかかる国民性への嘆きです。典型が、日本はギリシャと同様に破綻するが、消費税増税で豊かな暮らしに戻るとの、上意下達のデマでした。納豆を食べるとやせるみたいな話。上の意向に素直について行く習性で、国民は必然性のない人為的な貧困化を強いられています。

日本人がお上に従う理由は、大きく二つあるでしょう。ひとつは「上に下がついて行かないのはまずいでしょ」という秩序重視の道徳です。上が正しいかは問わない道徳。もうひとつは「上の者は間違いをやるわけがない」式の、いわゆる事大主義や権威主義です。

ネットのカリスマ論者のよくある論法が、まんまこれです。「上がやっていることが間違っていると批判するやつは頭悪すぎ」「もし間違っているならやるわけないでしょ」「正しいからやっているわけでしょ」「こんな簡単な理屈もわからないのは馬鹿でしょ」「はい論破」。

世界の美術展覧会は、日本だけが違う世界です。諸外国はアートフェアと呼ぶ方式です。作品を全て同格に並べて、観客はこれと思ったものを買って持ち帰ります。だから全作品に値段が貼ってあります。当落という概念がありません。観客の一人一人が見る目を持たされ、だから見る目を持っています。

そのアートフェアは日本では根づかず、公募コンテスト展ばかり。上に立つ審査員が作品を合否判定して落選作品を排除し、合格の中で価値を決めて金銀ラベルを貼ります。会場で作品販売は禁止で、見るだけ。観客は金銀ラベルに感銘を受けて、心の糧にして手ぶらで帰る方式の展覧会です。
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