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2020/05/05

日独の財政拡大は日本がドイツを逆転する|円とユーロの違いがでかい

日本のコロナ対策は最悪だという声と、最高だという声が両方あります。これは最高の国家態勢があるのに、決定が「小さくて遅い」画竜点睛を欠くパターンです。100メートルを9秒台で走れるくせに、本番スタート直後に歩いて負けるみたいな。ポテンシャルとパフォーマンスの落差です。

ドイツは行動パフォーマンスが強く、素早く国民へ現金給付を実行しました。ところが間もなくショートして、持続せず中断しています。EU加入でポテンシャルが落ちているドイツ。一方の日本は逆に、のろのろグズグズしながらも軌道には乗っています。

日本が優れているのは、決定を受けた後の現場スタッフのはたらきです。不評だった給付金のネットサイトをチェックしても、想像以上にていねいに制作してあり、当初の欠点はすかさず改良されています。連日の徹夜で作ったであろうと。

日本の小さく遅い意思決定は、ある迷信が原因です。「国債を発行すれば国が破綻する」というたたりです。フェイク本に円のデフォルトや金利上昇やインフレ危機で日本沈没が予言され、素人だけが引っかかります。マスクの配布がすぐ決まったのは利益供与のせいではなく、金額が小さいからです。

一方のドイツでは、変動為替式自国通貨である日本円の発行は夢。ドイツにとってユーロは外貨なので、日本にくらべ大ハンデです。日本のYENがノー・インフレリスクで、GDP減少分以上に国債発行で埋められるのに、ドイツは通貨の自主発行権さえなく弾切れ状態です。

最高条件なのに迷信があり行動できない日本と、行動は速いが最悪条件のドイツの違いです。コロナ恐慌は、通貨発行が多く税回収が少ない国が勝ちます。与条件を活かしているのは、新自由主義経済の緊縮真理教を蹴飛ばし、MMTに基づいた合理性で動く中国だけです。
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