FC2ブログ
2020/06/17

『別れの朝』高橋真梨子が再現した前野曜子|ジャニス・ジョプリン日本版

コンガ奏者がリーダーのペドロ&カプリシャスは、今六代目のヴォーカリストだそうで『別れの朝』『ジョニィへの伝言』『五番街のマリーへ』の70年代三大ヒットが知られます。後の二曲は高橋まり(現真梨子)が歌ったので、一曲目もそうかと思われがちですが別人です。

『別れの朝』はドイツ語版が知られたウド・ユルゲンス作曲の世界的ヒット曲で、カスタネットが特徴的。歌詞は「あなたに伝えたいことがある、でも言葉がみつからない、ピアノなら伝えられる」というラブソング。日本版カバーは、なかにし礼が歌詞を全く変えました。

「別れの朝、二人は、冷めた紅茶、飲み干し」「ちぎれるほど、手を振る、あなたの目を、見ていた」と、ピアノと関係ない失恋ソングでした。ピンク・フロイドの『吹けよ風、呼べよ嵐』の5日前のリリースで、当時オリコン一位で放送は耳タコなほど。歌は前野曜子。

『別れの朝』は前野没8年後に、独立していた高橋真梨子がやっと歌い、二人の歌がよく比較されます。歌を歌う高橋真梨子に対して、思いを歌う前野曜子が迫真的で自然体で、後の本人にさえ再現できなかった傑作に仕上がっています。今も前野ファンの熱心なフォーラムがあります。

高橋の歌を、前野の歌と信じる人が多いバージョンが動画サイトにあります。バックの演奏が一致するので、1971年にマルチトラック録音したカラオケに、高橋が前野をエミュレートして歌った企画盤でしょう。二つは非常によく似て、前野は声がより素でヴィブラートが浅い技巧の少なさで判別できます。

前野曜子は昭和最後の1988年まで生きて、3年後に訃報が出た孤独な生涯でした。ペドロ&カプリシャスの契約中に脱退し、出世から外れた奔放行動も遠因かも知れません。ジャニス・ジョプリンに近い最後で、しかも『ムーヴ・オーバー』の名演がありました。売り方を計画するプロデューサーが必要だったのでしょう。
関連記事
スポンサーサイト