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2021/05/19

アメリカのインフレ懸念と財政手法を理解する|景気と絵画の価格

アメリカのインフレ懸念がニュースに増えて、ネットにも論述が多くありますが、やはり間違いが多いようです。バイデン大統領は公共事業への政府支出と大型増税をセットにしています。これを日本では、増税して集めたお金を公共事業にあてるのだと勘違いしています。

そうではなく、公共事業にあてるお金はドルの新発行です。合衆国のお金が増えて好景気になりすぎる可能性が高まります。インフレ率が過剰に上がるのを冷やすために、余剰金を捨て去る作業が増税です。日本で理解されにくい原理です。

日本政府のインフレ目標は年2パーセントですが、コロナ前のインフレ率はマイナスでした。コロナ中の2020年でマイナス0.4パーセントなので、日本だけは延々とデフレ不況なのです。なのに日本でインフレ懸念するおかしな発言が多く、これが日本が傾いている一因です。金欠を理由に増税する日本はあべこべ。

インフレ好況のアメリカがデフレ不況の日本に「逆をやれ」と指示したのは、朝鮮戦争勃発の時でした。日本は実は味方で、ソ連が本当の敵だと知ったアメリカは、日本と韓国を経済発展させるために、公共投資で富裕化させるよう手伝いました。そして1964東京オリンピック。

インフレが主に二種類あることも日本では知られません。デマンドプル型とコストプッシュ型です。絵画だとわかりやすい。デマンドプル型は人気が出て値上がりする絵、コストプッシュ型はキャンバス代の上昇で値上がりする絵。前者は好景気、後者は不景気と、構造が逆のインフレです。

コロナでインフレ率が1パーセントに落ちた苦境のアメリカは、最近2.6パーセントと幸福度が上がり、それが一時4.2パーセントに上がった時は、コストプッシュ型です。原油価格高騰も原因なので、金利上げや増税する筋合いかを検討中です。
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