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2021/05/26

海外のキノコ取りで出た日本の国民性|コロナ給付金の奪い合い

かなり前に読んだ本に、海外に住む日本人がレジャーで恥をかいた体験談が書かれていました。欧州のどこかの国で、友人が集まって山でキノコ狩りして、その場で料理するピクニックでした。現地に着くと自由行動して、思い思いにキノコを探してカゴに入れました。

やがて集合すると、ヨーロッパの友人たちはカゴに少ししかキノコがないのです。一人にこう言われたそうです。「君は一人でそんなにたくさん食べるのかい?」。自分だけが山のようなキノコをカゴに詰め込んでいて、時間内に取れるだけ取っていたのです。

自然の恵みを根こそぎ取って、独り占めにする我が行動は何だろうかと。西洋では自分が今食べる量だけを取り、後から来た人も自分と同様に楽しむ権利が行き渡るよう分かち合う。ポロッと出た我が心底にある何かが、あまりに恥ずかしかったというエピソードでした。

ツクシでも栗でも、根こそぎ取って占有しようとする。余らせて捨てることになっても取り尽くす行動には、他人に渡せば損をする焦りが隠れています。獲物の総量が固定している前提の焦りです。争奪戦。今の日本のコロナ騒動がまさにこれで、根底には財源論があると想像できます。

財源論とは、国のお金の合計が一定と考える誤った解釈です。現代のお金はイングランド銀行が確立した信用貨幣方式であり、政府は通貨発行権でお金の増減が自在です。足りないなら足りるまで追加発行し、自国通貨の不足は絶対に起きません。国費を出し惜しみ節約するのは、時代錯誤か悪だくみです。

国民は時代錯誤なので、イス取りゲームのようにお金を奪い合う共食い状態です。コロナ給付金は、職業の貴賤を根拠にしたヘイトで激しくもめて、行政は選別して給付拒否しました。被差別扱いを受けた職業人たちが提訴し、裁判が始まります。絵に描いたような人権侵害。絵の背景は何色か。
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