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2021/06/11

コロナワクチン手続きの現場は混乱|予備を無駄と呼び

アメリカ人が動画で「日本のコロナワクチンはとても遅く、先進国とは思えない」と語り、対する日本側の読者の反論は「死者数が少ない日本では問題ない」という論法でした。日本の国策が遅いのは新自由主義経済の特徴です。

新自由主義経済とは、経済活動において政府を悪とみなす思想で、典型的な表れ方は福祉の敵視です。弱者に手を差し伸べると、純粋な自由主義経済に反する。だから弱者は滅ぶにまかせるべし式の適者生存が、新自由主義の根底にある教条です。日本で広まった高齢者や障がい者への憎悪感情がこれです。

お金が神であり、コストカットが至上命題です。政府はお金を発行して国民にサーブする役なので、新自由主義に徹すると、国民の手にお金が回らず貧困化します。その貧困を公が救えなくすれば、富裕者が貧困者を隷属させて支配できる、そうした格差拡大を目指す階級闘争です。

そのコストカットで、たとえば大阪市が率先して病院と保健所と医師と看護師を廃業させる行政施策で、地域のお金を守った実績を誇っています。それだと平時には成り立っても、緊急事態には破滅します。新自由主義経済はそこまで考えてあり、緊急時には非力な行政の仕事を民間が肩代わりして大儲けできます。

この流れに、国民は首を縦に振ってきました。国民は官公の出費は税金が使われると勘違いし、公務員を減らせば出費削減で理想社会になると誤解してここまで来ました。実際は際限なく重税になり、死者も増えます。政府は通貨発行して予算行使するので、ムダな出費が減れば貧困化するからです。皆の思いとあべこべ。

他国になく日本にだけある問題の全ては、「お金とは何か」の誤認が出発点です。お金は借用証書を意味するデジタルチケットです。この時点で「わけわからん」となり、それで日本だけがピンポイントで行政執行力を喪失し、ワクチンが遅いのも当然の成り行きです。
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