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2022/03/07

フランソワーズ・ジロが今100歳で存命|ゲルニカからパリ占領

ピカソと暮らした女性の一人フランソワーズ・ジロが100歳で存命だと、経済系のSNSで知りました。1921年(大正10)生まれで『ゲルニカ』の時は高校2年の計算です。ベルリンの壁崩壊、9.11もコロナパンデミックも我々と同時に見ていて。

ピカソの名作絵画のモデル女性はマリー・テレーズとドラ・マールが多く、世紀の傑作『泣く女』より後。画学生のジロにピカソは声をかけました。ジロはピカソの子を連れ別の人と結婚し、ピカソはジャクリーヌと結婚しスペインのお城へ。その後はダンカンの写真集で知られます。

ジロはピカソ絵画が熟した時代と、いっそう飛躍的に破壊した時代のはざまのインサイダーです。ジロの最大の話題性は、ピカソを捨てた唯一の女性として当時本も書き、ピカソ語録とともに天才のプライベートを表に出しました。

ピカソの言葉はどれも芸術的な含蓄にあふれています。創造は発見であり、手の器用さが生むのではないと、彼は知り尽くしていました。比喩的な言葉が多い。芸術が常に誤解されるストレスを、芸術に疎い周囲にぶつけていた疑いもあります。「好きなら続ければよい」と自作を評され、ジロは筆を折っていました。

画家ジロの後の絵はピカソを薄めたような画風で、今もインタビューでのウィットがピカソ風に感じられます。弟子のように受け継いだ感もややあります。全く違う絵へ進みはせず、キュービズムからの派生が中心になっていました。

二次大戦でナチス軍に占領されたパリに二人はいたはずで、今起きている三次大戦初段ロシアのウクライナ侵攻と爆撃で、二次大戦に記憶が引き戻されているのかも知れません。93、4年前の記憶を語る記事も、世界にネット配信できる時代です。
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